確率変数の変形に伴う確率分布の変化について

Oct. 18, 2022, 3:10 p.m. edited Oct. 18, 2022, 3:18 p.m.

#数学 

ある確率密度関数(ここではこれを単に確率分布または分布と呼ぶことにする) \(p(x)\) に従う確率変数を \(X\) とする。このとき、 \(X\) に対して色々な計算を施して確率変数 \(Y\) を得たとき、 \(Y\) が従う分布 \(q(y)\) を調べる。

なお、 \(a\), \(b\) を定数とする。

\(X+a\)

$$Y=X+a$$

とすると、

$$q(y)=p(y=x+a)=p(x=y-a)$$

となる。

具体例

$$ \begin{align} p(x)=\begin{cases} 2x & (0\leq x\leq 1) \\ 0 & (x<0,1<x) \end{cases}\tag{1} \end{align} $$

のとき、

$$ \begin{align} q(y)&=\begin{cases} 2(y-a) & (0\leq y-a\leq 1) \\ 0 & (y-a<0,1<y-a) \end{cases} \\ &=\begin{cases} 2y-2a & (a\leq y\leq 1+a) \\ 0 & (y<a,1+a<y) \end{cases} \end{align} $$

となる。

\(aX\)

$$Y=aX$$

とすると、

$$q(y)=p(y=ax)=p\left(\frac{1}{a}y=x\right)$$

となる。

具体例

\(p(x)\) が式 (1) のとき、

$$ \begin{align} q(y)&=\begin{cases} 2\frac{1}{a}y & \left(0\leq \frac{1}{a}y\leq 1\right) \\ 0 & \left(\frac{1}{a}y<0,1<\frac{1}{a}y\right) \end{cases} \\ &=\begin{cases} \frac{2}{a}y & (0\leq y\leq a) \\ 0 & (y<0,a<y) \end{cases} \end{align} $$

となる。