Outer Wilds MOD: Finis
Nov. 24, 2024, 3:40 a.m. edited Nov. 24, 2024, 9:17 a.m.
これまでOuter Wilds MODの翻訳をいくつかやってきて、そのなかで修正などにも携わったことからMOD自体の作り方もわかってきた。そこで、自分でもストーリーMODを作ってみようということで、第3回MODジャムに参加して作った作品。MODページはここ。
問題: 最終盤で起動する装置の手前で通信するNomaiの名前は?(すべて小文字でスペース含めないで)
リモートなのでオレンジ文字であった
hogehoge
このサントラでも聴きながら読んでほしい:
piyopiyo
開発前後
hogehoge
※注意:あまり綺麗な話ではない!!なにかを作るとはそういうこと!
Outer Wilds MODコミュニティでは、1年に2回程度の頻度でジャムが開催される。第1回Outer Wilds MODジャムでは、優勝したEvacuation(日本語翻訳済み)の他にも、Divergence(日本語翻訳済み。Enhance Divergence Modと一緒がおすすめ)のように、非常に秀逸なストーリーをもつものが作られていた。ゆえに、第2回Outer Wilds MODジャムにも期待していたのだが、そこでは悪いがあんまり日本のコミュニティにおすすめできるようなものはなかった(それでも挙げるならOrigins(私によるものではないが日本語翻訳済み)は航行記録をもたずRTA感のある異質なものだが悪くない)。
そこで、第3回Outer Wilds MODジャムでは、ちゃんと意味のあるストーリーMODを作って賞をかっさらおうと画策していた。
ところが、第2回Outer Wilds MODジャムでは制約なんてなかったのにもかかわらず、第3回Outer Wilds MODジャムではテーマが公開されると同時に、なんと既存の星系を使ってはならず新たな「Mod Jam 3」という星系で各チームごとに一つの惑星を作るという制約が課されてしまった。ここで引き下がることもできたのかもしれないが、もうなにか作るぞ!と意気込んでいたので、そのまま参加してしまったのだ。そして、これが結果的に2024年のメンタルの不安定さに影響を与えることになってしまった。
私は基本的にOuter Wildsの世界で起きるすべてのことには何らかの理由がなければならないと考えている。それはMODでも同様であり、ゆえに、変なミームだとかそういう類には大きな抵抗がある。それもあって、例えばまだ大してOuter Wilds MODに触れてないのにトーマスとかDOOMとかがバズられるのには苦い顔をして眺めている。それにもかかわらず、これから力を注ぐのが変な星系で、目を覚ますとそこにはなぜかHearthianと同じ言葉を喋るNomaiがいて、そして一番目に付く場所に誰が1位でとかがNomaiスクロールで書かれているのである。狂いそうになった。というか狂った。
それはさておき、開発面においても非常に苦労した。これまである程度はMOD開発にも触れていたと思ってはいたのだが、いざ自分で一から作ろうとするとNew Horizonsで助けられているとはいえ、ベースとなる惑星の作成、謎解きとストーリーの一貫した構成、Unity Asset Bundleの管理、dnSpyで理解しながらOuter Wilds既存処理へのHarmonyによるスクリプトの差し込み、Blenderでのモデル作成、曲の作成、などとあまりにも、あまりにもやることが多すぎた。これは他の皆さんが基本的にチームを作っているわけだ。こっちは日本人なんて私しかいないんだよっ!!
そうして、最終日の明け方近くまで手を付けられずにいた航行記録を一気に作成して投稿したのである。すると、想定外のことが起きた。第2回Outer Wilds MODジャムではちょうど他のことをしていた参加していなかった猛者たちが次々と投稿してきたのである。特に、Astral Codec開発がちょうど完了していたWalkerの参加がとても大きかった。
結果としては惨敗であった。2位はWalkerのReflectionsで、これだけはミームらしさのない純粋さを感じることができたので良かった。他にはコメントはない(いや、ギミックは良いんですよ。3位のSolar Rangersはガンダムをやれますし、あとBand Togetherは手が込んでる)。
そもそも、Nomai KitにもInhabitants Kitにも私だけアクセス権がない。一度、私にもくれと言ったのだが、特に反応はなかった(これもちゃんとコミュニケーションをとればいいだけといえばそれはそう)。ゆえに、私にはNomaiの施設や流れ者の住人の施設を作ることができない。そこには重力関係のモジュールなども含まれているので、それにアクセスできないことから施設の重力すら私には思うようにできなかった。
そして、私は…完全にFinisをぶん投げた。なかったことにした。忘れることにしたのだ。第3回Outer Wilds MODジャム作品の翻訳も一切しないことにした。
なにかを作るというのは狂気なのだ。美しいものとは限らない。
piyopiyo
時は流れ、v2.xへ
hogehoge
平穏な時を過ごしていた。
そして、ある日、オブラディンをプレイしていたところ、不穏な動き(2:12:08)があった。半年の空白を経て、Finisが掘り起こされてしまったのだ。
このときのFinisはダウンロード数は第3回Outer Wilds MODジャム作品の中で最下位に甘んじており、ひどい有り様であった。Visual StudioとUnityを開いたところ、なにか新たにやろうとした形跡があった。どうやらすべてを作り直して、そのうえですべての第3回Outer Wilds MODジャム作品がなぜOuter Wilds世界に存在するのかの理由付けとなるような大規模MOD化をしようとしていたらしい。そんな余力なんてどこにもないくせに。
眺めるとそこには作りかけの「月」の残骸があった。そうだ、これを起点に、あくまでも今のFinisをベースに洗練させることにした。期限は、そう、迫ってきている第4回Outer Wilds MODジャム開始日までにして。
そして私はさっそく取り掛かった。重力制御方法を、例のキットを使わずに再現して例の重力水晶壁をまともなものにし、クリスタルシェーダを修正(deferredを切っていたのが原因でZオーダーが狂いNomai文字が見えなくなっていた)してそこにNomai文字を置けるようにし、キットなしでも置けるNomaiの品々をセットし、日本語を入れ…と作業を進めていった。目玉となるものとして「月」と「眼でのラストシーン」を据えて、バージョン2系にアップデートし、これで完成とした。今の限りあるリソースのなかでやれることはやったのだ。
Finis is finished.
piyopiyo
その後と感想
hogehoge
ダウンロード数は目に見えて一気に伸びた。第3位の作品のダウンロード数をも抜かした:
そして、ありがたいことに配信や感想もいただけたので、ここに挙げさせていただく:
配信:
感想:
piyopiyo
雑多な資料
hogehoge
時系列
(The OutsiderやAstral Codecなどのネタバレに注意!この2つのストーリー上の競合を解決したかったという気持ちもあったので「月」を作ったのかもしれない)
- Friendの親世代が遭遇した収拾者接近を、Nerineらが解決。その後、流れ者が建造される
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- (カラヤゲさんによる呼び名を流用すると)フィニス人たちの戦いに明け暮れる日々
- Escall船とMenth船の交流。祝祭にてワープコアや、重力水晶の原型の提案。また、DaturaがMenthに収拾者について熱弁
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- フィニス人たちが王を残してほぼ全滅
- Escall船が眼の信号を発見してワープ後に闇のイバラに不時着。その後、灰の双子星プロジェクトによる眼探し
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- 宇宙の眼から名残り奏が出現。そのときにフィニス王が「回収」を発動し、燃料晶洞から幽霊物質結晶を回収。その影響で名残り奏は破損し、その一部が侵入者となってNomai全滅
- フィニス王は回収した量子のかけらや幽霊物質結晶から、自分たちは前の宇宙と同じことを繰り返していると知る。その終焉を望んだフィニス王はほぼすべての死体および自分の肉体を用いて、最後の砲の建造をする
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- 宇宙の眼と関わりがある(正確にはEscall経由で関係している)とみなされたMenth船が望焉の台地星系にトラップされる。そのうえで宇宙の眼とつなげる目的でワープ技術が回収される。Menthらは砲の起動が即座に宇宙の眼破壊と繋がらないように細工をし、その結末を後世に託す
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- ひよっ子が宇宙の眼の座標を知る。宇宙の眼との内積値が閾値以上に達したことから、ひよっ子も望焉の台地星系に飛ばされる。そこで最終的に、Menthの子孫であるHyssopの助言のもと、眼へと至る
名前関係
Nomaiの名前は植物由来であるため、そこからうまく関係するように名付けている。詳しくはLamiaceaeにて、ページ内検索で「hyssop」「menth」「sacco」「cumin」と調べればその由来が出てくるように、近い系譜となるようになっている。なお、「coleus」もいるので、親戚なのかもしれない(これはこの記事書いてるときに初めて気づいたので偶然)
piyopiyo